長城戦略コンサルト(GEI)はこのほど、「GEI中国ユニコーン企業研究報告2025」を発表した。青島市は計10社がユニコーン企業リストにランクインした。自由貿易試験区青島エリアに位置する卡奥斯工業智能研究院(青島)有限公司、青島清原作物科学集団有限公司の2社がランクインした。
報告によると、2024年、中国のユニコーン企業は372社に達し、総バリュエーションは1兆2000億米ドルを超えた。「ユニコーン企業」は主に発展が速く、数量が少なく、投資家に好まれるなどの属性を持つベンチャー企業を指し、指数的成長や画期的イノベーションなどの特徴を持っている。ユニコーン企業は、新たなシーン、新たなサーキットを絶えず開拓し、地域の全要素生産性の向上を効果的に牽引し、すでに地域経済の発展と革新活力の指標となっている。
今回ランクインした卡奥斯工業智能研究院(青島)有限公司(以下、「卡奥斯」という)は、「スマート+5G大規模カスタマイズ検証プラットフォーム」と6つの技術実験室を頼りに、インダストリアルインターネット、人工知能などの技術の研究開発に焦点を当て、COSMOPlatプラットフォームで家電・消費財・製造業分野をカバーするエンドツーエンドのスマート製造ソリューションを提供している。同研究院は2016年、工業情報化部の指導の下で設立され、中国家電業初の工業知能研究機関となった。2017年には世界初の「工業大規模カスタマイズ白書」を率先して発表し、2019年にその研究開発成果が世界スマート製造における10つの科学技術進展に選ばれ、中独デジタルツイン実験室を設立した。2020年にインダストリアルインターネット産業連盟実験室、CIIF情報技術賞など複数の認証を取得し、2021年にIoT基幹技術プロジェクトが工業情報化部のモデル事業に選ばれた。卡奥斯は、36件の国家標準と5件の国際基準の制定を主導しており、複数の「ライトハウス工場」のスマート製造高度化の実現を後押しした。
青島清原作物科学集団有限公司(以下「KingAgroot」という)は、今回の新規ユニコーン企業として、研究開発・生産・販売を一体化した農業バイオテクノロジー企業であり、新農薬の開発・製造と生物育種の二つの方向から世界農業生産の効率と品質を高め、世界の食糧安全保障に貢献することを目標としている。KingAgrootは、研究開発者1300人余りを擁し、その業務が新農薬の開発・製造、バイオテクノロジー形質開発、商業化育種など、三つの分野をカバーしている。現在、KingAgrootは、中国でシピラフルオン、ビピラゾン、フェンピラゾン、トリピラスルホン、フルフェノキシマシル、フルスルフィナムなどの6つの特許化合物の商業化に成功している。
ここ数年来、自由貿易試験区青島エリアは常にサービスの最適化、革新生態の育成強化を核心とし、革新型企業の育成に力を入れ続け、卡奥斯、KingAgrootなどの企業にライフサイクルのサポートサービスを提供し、地域の全要素生産性の向上を効果的に促進し、産業革新の活力を高めている。
次の段階として、自由貿易試験区青島エリアは「10+1」イノベーション産業システムの構築を中心に、産業チェーンの協同発展に焦点を当て、イノベーション企業の段階的育成を実施し、コア技術を有する高成長性企業を発掘し、より多くの「ユニコーン」、「ガゼル」、「タカのひな」を育成し、「1社を育成して、1つのエリアを牽引する」産業クラスター効果を形成し、エリアの新たな質の生産力の発展に力強い原動力を注ぎ込む。

